飽きもせず、デジスコかついで野鳥を追っかけている。
何が、そんなに面白いのか?
雨の日の退屈しのぎに、つらつら考えた…。

 撮りたい野鳥に会えなかったり、出会えても枝かぶりやピンボケばかりでガッカリということも多い。けれど、予期せぬ出会いがあって、満足できる写真が撮れた時は本当に嬉しい。
その写真を縮小したり、コントラストを強めたり、画像処理をし、コメントを添えて、HPに載せるという作業もそれなりに楽しい。
 つまり、私の場合、野鳥の写真を撮るという楽しみと、それを材料にHPを作るという楽しみ、もともと好きだった二つを同時に楽しめるというメリットが大きいと思う。

 また、インターネットで検索して、いろいろな人の野鳥写真のホーページを開いて、参考にしたり、情報を得たりするのも楽しい。たくさんの野鳥写真のHPを見ていても、みんな何かしら違っていて、同じものがない。作る人の感性が投影するのか、それぞれに個性があって面白い。

 上手く撮れない時は、機材を工夫したり、撮り方を反省してみたりと、あれこれ創意工夫する楽しみもある。
反面、スコープやデジカメ、接眼レンズ、三脚、ビデオ雲台など、評判が良さそうと知ると次々試したくなって、機材がやたらと増えるというデメリットを背負うことにもなる。

 三脚、フィールドスコープ、カメラ、双眼鏡等を含めて、6kg程のリュックを担いで、4、5時間、探鳥地を歩き回ると、相当な運動になる。
運動不足解消になるし、草木が多くて、空気のきれいな所を歩きまわるので気持ちがよいし、健康にもよい筈…と自分では思っている。


 探鳥地で、デジスコや超望遠レンズを担いでいる人に出会うと、気軽に、「今日は!」と声をかけるように心がけている。
「何がいるんですか?」と尋ねると、「あそこに○○がいるんですよ。」と教えてくれる。どういう訳か、野鳥好きの人には、親切でやさしい人が多い。
少々耳が遠い上に、眼鏡をかけても視力が0.3か0.4の私には、同好の士が見つけた野鳥を、気持ちよく一緒に撮らせてもらえるのは有難い。
それに、話をするうちに心が通い合い、あちこちに、同じ趣味の友達ができるという喜びもある。


 あちこちに友達が出来ると、野鳥情報も入りやすい。
平城宮跡にヤツガシラがいると聞けば出かけ、京都御苑でアオゲラを見たという情報があればさっそく撮りに行く。見たことがないものを見たいというのは万人共通の思い。
若者がアイドルを追っかけたり、オバチャンがヨン様を追っかけたりしているのと、大差ないなあと苦笑するけれど、まあ同じようなもの五十歩百歩だとも思う。


 撮影した野鳥の種類が増えてくるという楽しみもある。
つまり、切手マニアが切手の収集をするように、子どもがカードやポケモンの人形を集めるように、自分の手でこれだけの種類の野鳥が撮れたという、コレクションが増える楽しみもある。

 今までは、野鳥を出来るだけ大きく、クリアでシャープな写真を撮りたいと思っていた。しかし、最近は、それだけでなく周りの雰囲気や季節感が感じられて、野鳥の可愛いしぐさや表情も撮れたらいいなあと思うようになってきた。次々と課題や欲が出て、奥が深い世界でもある。


大阪城でオオルリを追っかけていたら、
「何してはるの?」
と青いテントのオッチャンが聞いてきたので、
「野鳥を撮ってますんや。」と答えると、
「ええ儲けになりまんのか?」と真顔で尋ねてきた。
よい写真が撮れたからといって社会に貢献をするわけでもなく、大もうけにつながるわけでもない。所詮、自己満足、趣味の世界である。目の色変えて必死になる必要はない。ルールや節度を守り、マイペースで、のんびり楽しめばよいのだと思っている。


 まあ、こんな調子で、私の「野鳥の追っかけ」は、まだしばらくは続きそうである。     


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