科学技術の進歩は日進月歩で、とどまるところを知らない。
携帯電話を利用した日英同時通訳は今年中に実用化され、中国語やフランス語など他の言語との同時通訳も現在開発中とのことである。そのうち、ポケットサイズの音声入出力の同時通訳機が発売されるだろう。
 10年以内に、ロボット産業が自動車産業を上まわるだろうと言われている。生産現場だけでなく、留守番ロボット、家事ロボット、看護ロボット、癒し系ロボット…と、日常生活のいろんな場面でロボットが活躍する時代は案外近いのかもわからない。

 私が、期待を寄せるのは次の三つの分野である。
 一つめは、クリーンエネルギーの技術開発が進み、原子力や石油・ガスに取って代わることである。
資源の再利用技術の進歩とあいまって、水も空気もきれいな地球になったらどんなに素晴らしいだろう。
 二つめは、海水の淡水化技術が飛躍的に進んで、大量に安価に淡水をつくれるようになったら素晴らしいと思う。
温暖化による海水面の上昇や、砂漠化の進行対策に少しは役に立つかもわからないし、乾燥地の農耕が可能になって、食糧難対策にも役立つかもわからない。
 三つ目は、再生医学の進歩である。
悪くなった臓器や体の一部を切り取っても、トカゲの尻尾のように、再生させることが出来たら、どんなに素晴らしいだろう。

 現在のすさまじい科学技術の進歩を見ていたら、あながち不可能とは思えない。 
あと10年長生きして世の中がどのように変化しているか目の当たりにしてみたいものだとつくづく思う。

ところで、先日、テレビで「素敵な宇宙船地球号『マヤのペダルパワー』」という番組を見た。
 中央アメリカ、グアテマラの高地で農耕を営むマヤの貧しい人々に、使い古しの自転車を改造したマシンを提供しているNGO「マヤ・ペタ゛ル」の人たちを紹介したドキュメンタリーである。

 自転車の後輪をセメントで固め重くして「はずみ車」にすると、はずみ車にエネルギーが蓄えられ、ペダルをこぐと1馬力の力を発揮するという。
この動力を利用して、「ナッツの殻剥(む)き機」「トウモロコシの脱穀機」「穀物の粉ひき機」「ジューサー」その他さまざまなマシンを作りだしている。
このマシンを使うと、今までの手作業に比べ、作業効率が10倍にも20倍にもなるという。
 電気や石油の値段が高く、生活費もままならない人たちにとっては、本当にありがたいマシンといえる。女の人や子供にも使え、操作が簡単で、故障しても自分たちで修理出来、おまけに環境にもやさしい。
 世界中には、電動式よりも足踏み式ミシンの方が重宝される地域がまだまだ多いという。日本の昔ながらの井戸掘り技術やリヤカーが歓迎されているともいう。
 してみると、Highテクにも夢があるけれど、Lowテクにも大いにロマンがあるといえる。
 昔から伝わる技術はきちんと継承し、Lowテクと切り捨てないで、さらに創意工夫を加え、必要とする人たちに、損得にとらわれないで、積極的に提供していけたら素晴らしいと思う。人々を豊かにし、幸せをもたらすのならばHighテクもLowテクも大歓迎である!
    


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