立命館大学教授、木津川 計さんの「生き甲斐のこれから」という講演を聴いた。
 「上方芸能」の元編集長だけあって、やわらかで流暢な上方ことばで、ユーモアたっぷり。
すばらしい話術は再現できないけれど、内容の一部を紹介したいと思う。


 年をとると新聞の死亡記事が気になる。
年齢を見て、「もうちょっと間があるな」と安心したり、大往生したいもんやなあと思ったりする。
ベストセラーになった永六輔さんの本「大往生」には、どういう死に方なのか説明がない。
そこで、私(木津川 計)なりに考えた。
 
大往生の条件
@広辞苑には「ローソクが消えていくように安らかに息を引き取る」とある。
A年齢的な条件がある。
 子どもや若者が亡くなっても大往生とは言わない。男なら85歳以上、女なら90歳以上。
B皆さんに惜しまれる人でなければならない。
「とうとう死によったか…」と言われるようではダメ。
C最後は1年ほど寝たきりにならないといけない。
その間にきちんと言い残せる。5年も6年も寝たら周りも本人もしんどい。
D身近な人に看取られて息を引き取らなければならない。
 5つの条件をクリアしてこそ「大往生」なのである。
     
 それでは、どうしたら「大往生」が出来るのか?
答えはたった一つしかない。「心がけをよくすること」、これしかない。そして、それまで「生き甲斐のある生き方」をすることが大切。

 
「生き甲斐のある生き方」の条件
@健康であること。
A経済的にゆとりがあること。
 年に1回ぐらいは旅行したり、孫に小遣いをやれるぐらいのゆとりがあること。
B時間的にゆとりがあること。
忙しいばかりでは「心」が「亡ぶ」
C人間的・社会的につながりがある。
D家族の支えがあってこそ生きていてよかったとなる。
E張りのある生活を送っている。
 稽古事や趣味を楽しんでいると、ちょっとでも上手になろうと思って努力する。それが張りのある生活につながる。

 軽妙洒脱なお話におもしろ・おかしく聞いていたけれど、後でじんわり考えさせられた。


 そして、先日、この人こそ「生き甲斐のある人生」を送り、「大往生」されたといえるかも、という記事を目にしました。 ご一読を!

    
「 しみじみと“母”を思う 」     


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