つむじ曲がりの独り言 ちょっとユニークなひと大好き


  反社会的とか人に不快感をあたえるのは論外として、
私は、昔から、ちょっとユニークな人が大好きでした。

 漫才師なら砂川捨丸・中村春代。紋付き羽織袴に鼓を
抱えた小柄なちょび髭の捨丸が「漫才の骨董品でして〜」と
出てきて鼓をポンポンと打つ。軽妙な味わい深い芸が好き
だった。
人生幸路・行方幸子も好きだった。どうでもよいことに本気?
で腹を立て「責任者、出て来ーい」と叫ぶ他の追随を許さぬ
漫才は理屈抜きに楽しかった。
 落語家なら柳亭痴楽と三遊亭円歌。「柳亭痴楽はいい男〜
痴楽綴り方教室」とか、「山のあな、あな…」とラジオでよ
く聞いた円歌の落語もユニークで面白かった。

 俳優なら左卜全。
黒澤明など有名な監督の映画に飄々とした演技でしばしば
登場する左卜全、人柄そのままのような、どこかとぼけた
姿が何ともいえない味があった。
「5種の薬草を煎じた不老長寿の霊薬」の入った水筒を首
から提げ、一年中よれよれのモンペ姿で芸能界一の変人と
いわれたが、それも長年の勉強から生み出された自然体
の演技だったという。 左卜全は次の言葉を残している。
 「 常道の芸では 先が知れている
   されば 逆 遠き苦難の
   みちを求めん 」

 女優なら北林谷栄。
戦前、美人で無いか、売れない女優がやるものと言われた
お婆さん役を30代で演じてから、お婆さん役一筋に100を
超える映画に出演し、日本一のお婆さん役者と賞賛された。
「ビルマの竪琴」のカタコトの日本語を話す物売りのお婆さん
や、「となりのトトロ」のお婆さんの声など今も耳に残っている。
    樹木希林も、ちょっとユニークな女優さん。
映画やコマーシャルで活躍され、人柄や交友関係を含め
よく知られているので、今更アレコレ付け加えることも無し。
その一本ピシッと筋の通った生き方の一端を示すような
希林さんの言葉を二つ紹介したい。
 「 おごらず
   人と比べず
   面白がって

   平気で生きればよい 」

 「 ああするべきだ こうしちゃいけない
   ああしちゃいけないというものの中からは
   ひとは育たない気がする 」 

 数学者で京都大学名誉教授の森 毅先生も大好きな一人。
ちょっとユニークな人で、嘘かホントか判らないエピソードが
いっぱいある。
 「 よく晴れた日に雨傘さして悠々と歩いているので、雨降って
 ませんよと言ったら、借りた傘返しに行くのにこの方がよく乾く
 やろ 」 と言われた。
 「 授業で出席を取らなかったらしい。単位取得に出席を考慮
 して欲しいと思った学生が、出席を取って欲しいと言って来た。
 森先生の答えは、『 よっしゃ、出席してないヤツは少々答案の
 出来が悪くても同情するが、出席したくせに出来の悪いのは
 容赦なく落とすぞ 』  学生は黙ってしまったそうな。一理ある。

 私の好きなちょっとユニークな人は、自分なりの価値判断と
いうかポリシーをしっかり持っておられる。

 周りに合わせていたら無難と思わず、みんなが、自分で判断
して行動するようになったら、日本がもっと良くなるのではない
だろうかとオッサンは考える・・